1. サステナブル・チョイスのすすめ

サステナブル・チョイスのすすめ

買い物や消費は、私たちが「どんな社会を創りたいのか」を示す投票のようなもの。環境破壊や気候変動、貧困、紛争などの問題を生まない「ものづくり」を応援しませんか?

SUSTAINABLEDEVELOPMENTGOLS

 持続可能な開発目標(SDGs)は、気候変動、資源の枯渇、貧困、紛争など深刻化する様々な社会課題解決のために、国際社会が合意した「新しいものさし(指標)」です。SDGsを達成するためには、企業や個人による持続可能な選択(サステナブル・チョイス)が不可欠です。達成目標は17項目にわたり、一見すると私たちの暮らしとは無縁に思える項目もあるでしょう。でも、私たちが日常生活において購入しているもの、使用しているものは、地球の反対側に住む途上国の人々に大きな影響を与えているのです。

FAST FASHION

どうしてこんなに安いの?

 ファストファッションがこんなに安い値段で買えるのはどうしてでしょう?手間をかけずに大量生産することも理由の1つですが、一番の理由は、製造拠点が人件費の安い途上国にあり、労働力となる女性たちの多くは劣悪な環境の下、時給20円に満たない超低賃金で長時間労働を強いられている、ということです。私たちが安さを追い求める裏側に不幸な人々が沢山いる、という事実…。お買物の仕方を見直してみませんか?

これからはエシカルが キーワード!

 衣類は60%以上が石油由来のプラスチック繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリルなど)から作られています。「安く買ってトレンドが過ぎたら捨てる」サイクルのため、年間で約210憶トンが廃棄され、その大半が焼却や埋め立て処理されるため、製造から廃棄に至る過程で発生するCO2は、石油産業に次いで第2位です。また、綿栽培には大量の殺虫剤や農薬が使われ続けています。このようにつくり手や環境への負担がどんどん大きくなる一方で、これを止めようとするキーワードが『エシカル=倫理的』です。生物多様性を重視し環境に負荷をかけず、労働搾取のない経済システムを目指し、小さなフェアトレードブランドから欧米のデザイナーズブランドまで、エシカルの輪が広がっています!

FOOD LOSS

世界の食糧援助量の約2倍の食品を廃棄!

 世界で生産される食糧の1/3は食べられることなく廃棄されています。その量は世界で毎年13億トン。日本では、2013年度の推計で年間632万トンのフードロスが発生しています(内訳は、事業者と家庭が半々)。これは、世界の食糧援助量の約2倍です。販売する側も購入する側も賞味期限に敏感になり過ぎていることや、機会損失を防ぐために過剰に陳列棚に並べられていることなど、私たちのライフスタイルに起因するフードロスが大半を占めています。また、食品や生ゴミの焼却処理には大量の燃料が必要となるため、気候変動へ与える影響も大きいのです。

食品捨てたら49万円のフランス

 フードロスへの対応が特に進んでいるのがフランス。2012年には、食糧廃棄禁止法により、賞味期限表示を撤廃し消費期限表示のみと定めました。さらに、2016年には売れ残り食品を慈善団体へ寄付することを義務付け、食べられる食品を廃棄した場合は3750ユーロ(約49万円)の罰金を科しています。また、2019年2月には、ドイツ政府が2030年までにフードロスを半減する方針を決定しました。こうした動きを支えるのは生活者の意識。私たちも見習いたいですね。

CLIMATE CHANGE

地球温暖化は人類最大の危機!

 2015年に国連にて採択された“温暖化対策の国際枠組み”が「パリ協定」。世界の平均気温上昇を産業革命以前より2℃未満に抑える(1.5℃に抑えることが災害等のリスクを軽減させる)ことに175カ国首脳が合意したのです。気温の0.5℃上昇は人間には体感できないかもしれませんが、自然界には大きな影響があります。気温上昇の影響として北極の氷融解がよく知られていますが、そのリスクは海面上昇だけではありません。海流の循環に変化が生じ、局地的な寒冷化や熱波、干ばつ、豪雨、ハリケーン、台風などの極端な気候が頻発するのです。さらに干ばつやハリケーンは食糧収穫量の減少、生活インフラの破壊や健康への悪影響を及ぼします。2018年の日本でも数多くの自然災害が起こりました。メディアは”異常気象”と形容しますが、果たしてそうでしょうか?世界の平均気温が上昇を続ける限り、これがあたりまえになってしまうリスクはとても大きいのです。

電気を選んで未来を創ろう!

 温室効果ガス増加の原因第1位は「化石燃料による発電」で全体の25%を占めます。さらに化石燃料は採掘・精製する際にもCO2よりも温室効果の高いメタンガスを発生させます。また有限の地下資源であるため、化石燃料に頼ったエネルギー構成はサステナブルとは言えません。私たちが家庭や学校、職場などで使う電気を太陽光、風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーへ変えていくことが、温室効果ガスを減らし気候変動を止めるために一番必要なことなのです。再生可能エネルギーのもう1つの利点は、地産地生であること。輸入依存度の高い化石燃料を使った大規模発電所に頼らず、家庭や地域が発電所となり災害対策や地域振興に役立てている事例が増えています。皆さんも再生可能エネルギーを選んでサステナブルな社会を創りませんか?