第17回青山ソーシャル映画祭を開催しました!  

0円キッチン

  7月29日(木)に、食糧廃棄を無くすため廃油で走るキッチンカ―でヨーロッパ5カ国を巡り、廃棄食材を美味しい料理に生まれ変わらせる、アイデア満載のドキュメンタリー「0円キッチン」上映会を開催しました。 世界で生産される食糧の1/3は食べられることなく廃棄されています。その量は世界で毎年13億トン。「捨てられてしまう食材を救い出し、美味しい料理に変身させよう!」と考えた食材救出人のダ―ヴィド。植物油で走れるように改造した車に、ゴミ箱で作った特製キッチンを取り付け、ヨーロッパ5カ国の旅へ出発!各地で食材の無駄をなくすべく、ユニークで美味しく楽しいフードアクションを巻き起こします。
 世界で13億トンといっても、廃棄の原因は国や地域によって異なります。途上国では「生産」に近い場面で、先進国では「消費」に近い場面でのフードロス(廃棄)が多くの割合を占め、生産地と消費地という関係性が色濃くでています。日本では、2013年度の推計で年間632万トンの食品ロスが発生しています(内訳は、事業者と家庭が半々)。これは、世界の食糧援助量の約2倍です。販売する側も購入する側も賞味期限に敏感になり過ぎていることや、機会損失を防ぐために過剰に陳列棚に並べられていることなど、私たちのライフスタイルに起因するフードロスが大半を占めています。

みなさんご存知ですか?
<食品業界の商習慣>
 ◆ 1日古いだけで納品が拒否される「日付後退品」という存在
 ◆ 賞味期限より前に棚から撤去される「3分の1ルール」
   ・・・賞味期限7日の商品も、3年の商品も同じルールで扱われている現状が
      大量の撤去・廃棄品を生み出す
 ◆ 棚を一杯にして機会損失をなくす
 ◆ 百貨店では、食材廃棄を見越して仕入れ(製造)を行う
   ・・・ブランドイメージを保つため、消費期限が短い食品でも値引きをしない
      商品が豊富に並んでいることを優先
<消費者の行動、意識>
 ◆ 消費者のゼロリスク志向が、賞味期限を短くさせている
   ・・・自然発生的な色、香りの変化にもクレームが多く、メーカーが賞味期限を
      短くする結果につながる
 ◆ 食品ロス大国の日本、ロスの半分は家庭から

わたし達にできること
 ◇ 買いすぎない(空腹時に買い物に行かない)、注文しすぎない
   ・・・空腹時に買い物にいくと、6割も余分に買い物をしてしまう
      というデータがあるそうです。
 ◇ 買い物では、手前のもの(賞味期限が近いもの)からとる
 ◇ 買い物かごに入れたけど、買わないものは、元の売り場に戻す
   ・・・売場に戻されていない商品は、不審物として廃棄処理されることがあるそうです。
 ◇ 料理では、食材を使い切る
 ◇ 残った料理は、捨てずに別の料理に変身させる
 ◇ 賞味期限は美味しさの目安と考え、五感を使って判断する

 上映後は、薬樹の管理栄養士・仲野智子さんに「いのちをまるごといただく」お料理について、お話し頂きました。  仲野さんは、海外青年協力隊の隊員としてネパールにて2年間職務に従事した経験から、食材となる動物の命を尊び無駄にしないことを、つまり「いのちをまるごといただく」ことを学んだそうです。ネパールでは、狩りで得た動物は近所で分けあい、内臓や血液もお料理の食材として使い切るのです。私たちも見習って、食材を無駄にしないよう心がけたいものです。お話しの後半では、旬の食材をまるごと使い切るレシピを紹介頂き、参加者全員で仲野さんお手製のかぼちゃスイーツを試食しました。無糖ヨーグルトとはちみつを合わせることで、まろやかな舌触りと甘さになり、とっても美味!かぼちゃの皮だけでなく、普段迷わず捨てていた種とわたの部分も入っています。種には不飽和脂肪酸が、わた部分には実の2倍のベータカロテンが含まれているのだそう。参加者の皆さんにも大好評でした。使い切りレシピは、レシピサイトにも多く掲載されているそうです。食材を無駄にせず、美味しく栄養たっぷりの「いのちまるごとレシピ」、ぜひ皆さんもお試し下さい!

ソーシャル映画祭会場風景 ソーシャル映画祭仲野さんプレゼン