第22回ソーシャルイノベーションセミナーを開催しました!  

 6月27日(水)に第22回ソーシャルイノベーションセミナーを開催しました。今回ご登壇頂いたのは、遠位型ミオパチ―患者会代表/車椅子ウォーカ―代表の織田友理子さんです。友理子さんは「遠位型ミオパチ―」という、やがて寝たきりになってしまう進行性の難病を発症し、車椅子の生活を送りながらも、難病や超希少疾病新薬開発制度の問題に取り組んだり、車椅子やベビーカー、足腰が不安な人のためのバリアフリーマップアプリ 『WheeLog!』の開発・運営を行っています。
今回は、「元健常者で現障害者」の立場から、自分にできること、自分にしかできないことにチャレンジし続ける友理子さんの、パワーの源泉をお話し頂くとともに、車椅子ユーザーからみた世界の中の日本や、バリアフリーやユニバーサルのあり方などをレクチャー頂きました。

 遠位型ミオパチ―とは手足の先など遠い位置の筋肉から全身が衰える進行性の筋疾患です。発症は大学生のとき。1日1回は転んでしまう。電車やバスの乗り降りがつらい。集団での移動が苦手。最初は運動が苦手なせいかな?と思っていたけれど、日増しに足の筋肉が細くなっていく。はじめての受診で幸運にも専門医に診てもらうことができて、すぐ病名が確定。病名がついたことで、「医療から見放されていないんだ」とほっとしたそうです。でもこの病気は、治療法、治療薬がない。進行性の病気のため、早く結婚・出産しないと、子どもを産めなくなる。そんな織田さんに、当時彼氏だったご主人の洋一さんは、「じゃあ結婚するなら今だね。」と告げたそうです。相手を病気や障害というレッテルを貼らずに、その人自身を見つめることができる洋一さんの強い意志と覚悟が友理子さんにはどれだけ心強かったことか。

 友理子さんが車椅子ウォーカ―を設立し、車椅子でバスや電車に乗って外出する様子を動画公開し始めたのは、車椅子ユーザーに、外出を諦めて欲しくなかったから。実は、友理子さん自身が車椅子ユーザーだからと、旅行や子どもを海につれていくことなど多くのことを諦めていたのに、数年経って調べてみると、日本のバリアーフリー化は思った以上に進んでいて、情報さえあれば諦めずに済むことを学んだからです。そして次に始めたのが、障害者も健常者も誰もが投稿できる 「みんなでつくるバリアフリーアプリ/WheeLog!」です。このアプリは、2015年にGoogleインパクトチャレンジグランプリを受賞し、多くの車椅子ユーザーをサポートしています。でも投稿数が少ないエリアも沢山あるので、ぜひ皆さんもアプリをダウンロードして一緒にバリアフリーマップを作りましょう!

 

薬局で働く皆さんへ、友理子さんからのメッセージ

 皆さんのお店の最寄り駅までの道のりで、バリアフリートイレはどこにあるのかな?駅まではどの道を通ったらスムーズかな?など、お店のある地域のこともスッと答えてくれるような方々は、障害者だけではなくお客さまにも頼りにしてもらえるはずです。
障害(バリア)には、段差や幅などの「物理的バリア」と、自分や他者による「心のバリア」があります。環境や人の考え方が変われば障害を減らすことはできます。「どうやって問題解決をしていこうか?」という思考がある人は常に世の中を変えていくのだと思います。かつては障害者のために作られたライター、メガネ、ウォッシュレットトイレは今では一般的なものとして普及しています。こんな風に、障害者のためのものであっても、皆さんも高齢者になればバリアフリーのほうが歩きやすくなります。人のために行ったことは必ず自分に戻ってくるので、ぜひ先行投資だと思って、バリアフリーに取り組んで頂けると嬉しいです。

 お会いしていると、とても朗らかでポジティブな方なので、お釈迦様のように達観しているかといえば、決してそうではない。苦しみながらもその都度、自分自身の生きる意味や価値をみつけ前に進んでいるのです。どのように物事を選択していくか、起こったことをどう受入れ解釈するかで人生はいろんな方向に変わっていくのだと信じ、行動しています。そんな友理子さんが心がけていることは「絶対的幸福」です。他者と自分を比べて幸せを測る「相対的幸福」ではなく、昨日の自分と比べて「より人を思いやって行動できたな」「挑戦できたな」と自分で決めた物差しで幸せを測る「絶対的幸福」が、友理子さんのベースにあります。本当に強い人です。

最後に友理子さんが自分で決めた10のルールを教えてくださったので、皆さんにもシェアしますね。

  • 自分で限界をつくらない ― どうしたらできるか考える!
  • 知りたがりの自分を楽しむ ― 身体は不自由でも心は自由だ!
  • おしゃれを手放さない ― 「身だしなみ」は心を整え気持ちを晴れやかにする
  • 「ありがとう」を口癖にする ― 感謝の気持ちは惜しみなく!
  • 人と繋がる努力を惜しまない ― 情報を発信し共有することで出会いのチャンスは無限に!
  • 英語の勉強を毎日続ける ― どんなに疲れていても、どんなに眠くても!
  • 臆さず旅に出る ― 交流からアイデアが生まれる!
  • 自分に落ち込む隙を与えない ― 泣く暇がないほど忙しく!
  • 目標の期限を決める ― 自分自身に〆切をつくり、今この瞬間から行動する!
  • 勝つことよりも負けないこと ― 希望がなければつくればいい、前例がなければ自分がなればいい!

友理子さん、ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました!