第19回ソーシャルイノベーションセミナーを開催しました!  

 第19回ソーシャルイノベーションセミナーは、日本発の国際フェアトレード認証をうけた「バナナペ―パ―」の企画・製造・販売を通じて、環境、貧困という2つの課題解決にアプローチするペオ・エクベリさんにご登壇頂きました。ペオさんは2回目の登場となりますが、前回立ち上げたばかりだったバナナペーパープロジェクトが、現在はとても力強い活動としてザンビアと日本で展開しています。また、2015年秋に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の実践リーダーとして、スタデイツアーの企画運営も行っています。
 今回は、バナナ・ペーパーの取組みに加え、SDGsについて概要はもとより、我々の理解やアクションの後押しになるような、スウェーデンの先進的な事例、日本の企業ができることなどをレクチャーして頂き、とってもチャーミングなペオさんのユーモア交えた素晴らしいお話に、ご参加頂いた皆さん、引き込まれっぱなしでした!!

「Sustainability in Reality – サステナビリティを実践しよう!」

 我々人類は、いま地球1.7個分の資源を使って生活しています。毎年日本の国土と同じ面積の森林が失われ、象牙目的の密猟でゾウが15分に1頭のペースで殺され、500万種類以上ある生物種のうち、毎日50種類が絶滅している。そして、毎年500万人以上の人が大気汚染が原因で亡くなる。

これか私達が暮らす地球の現実です。

「地球1個分の暮らしとビジネスをしよう。」 これが、ペオさんからのメッセージです。

そのためのルールは3つ

  • 返すことができる以上に資源を取らない
  • 地上か地下で選択する
    1. 地下資源は再生するまでに100万年単位の時間が必要です。
    2. 地上にある資源から作られたモノ、エネルギーを選びましょう。
  • 生物多様性を大切にする

 そして肝心なことは、エコ、サステナビリティは我慢ではない、ということです。快適さを失わず、もっと言えば、快適さを高め ることができるような暮らし方をチョイスすることが大切なのです。そんなことが実際できるのか?答えはYes!
 ペオさんがお住まいのエコマンションは、500万円のリフォームで、サステナブルで快適な暮らしを実践しています。
しかも我慢とは無縁の快適な節約術でもあります。

  • 生ゴミコンポストと分別リサイクルの徹底で、1ヶ月のゴミはサッカーボール1個分!
  • ケミカルな建材を使わず、珪藻土の壁に変えて、窓がない洗面所でもカビ知らず!
  • 渋滞や満員電車を避け、自転車で快適に移動!交通費も節約!
  • 100%風力でまかなうエネルギーを使いCO2排出量を90%カット!
  • 少ない水量で洗浄力アップする節水ノズルに変えて、快適に水道代を節約!

 ペオさんが送っているサステナブルで快適な暮らしは、「人の健康」「地球の健康」「経済の健全な成長」のトライアングルをベースとしています。「環境と経済が相反する」という考えは、もはや古い!今は、人も地球環境も健康になり、しかも経済を発展させることができるのです。そのヒントは、SDGsの17項目であり、バナナペーパープロジェクトや、スウェーデンでの様々な取り組みは、具体的で素晴らしい取り組み事例です。キーワードは「地上or地下?」「ゴミがビジネスに!」です。

詳しく知るために、ペオさんの案内で、スウェーデンの仮想エコツアーにでかけました!

  • ① いよいよスウェーデン到着。 飛行機はエンジンオフした状態でグリーンランディングで安全に着陸。
  • ② 入国手続きを済ませ、空港から 市街へ電車で移動。電車は風力で走るグリーントレイン。子ども料金で自転車も持ち込める!
  • ③ 街へ向かう途中で大きい橋を渡ります。この橋、なんとリサイクル缶が建材として使われている!
  • ④ 街へついたらタクシーでホテルまで。タクシーは生ゴミを燃料として走っています!
  • ⑤ 環境ラベル認定ホテルにチェックイン。ここでは200種以上のエコアクションを実践しています。ノンケミカル100%、FSC認証の建材使用で、掃除にはエコ認定の洗剤を使用。客室はファッション性も重視、リネンはすべてオーガニック。朝食のサーモンはNSC認定。とても心地よい!
  • ⑥ スーパーへショッピングにでかけます。食材も住宅用雑貨も、選択肢が豊富。コーヒーや洗剤はほとんどが環境ラベル認定つき。ドールのバナナさえ「フェアトレード」「オーガニック」「ケミカル」の中から選ぶことができます。当然フェアトレード!お肉は通常品は黒いトレー。放し飼いでオーガニック肥料で育ったエコ肉はグリーントレーに盛られています。
  • ⑦ 買い物したレシートをゴミ箱へ。スウェーデンは街のいたるところにゴミ箱を設置し、100種類以上に分別。毎日利用が可能だから分別も苦にならない。 このゴミ箱、実は太陽光で動きます。自動で圧縮されるからゴミ回収の頻度も少なくて済み、回収のタイミングをデジタルシグナルでお知らせするから、無駄がない。しかも回収者は生ゴミを燃料とし、荷物の上げ下ろし負担が少ない、作業員の健康にも配慮した構造。

 いかがですか?日本もこんなだったらいいですね。スウェーデンで出来て、日本で出来ないことはありません。
私たち消費者がこのような社会を声にだして求めることが大切です。

さて、ここからはバナナペーパーのお話しです。

 ファストファッション、コンビニ弁当を含んだファストフードが人・社会・地球の持続可能性を脅かす大きな社会問題となっているように、実は紙の業界でも、コスト重視の大量な森林伐採により「ファストペーパー」と化しているのです。毎年、日本の面積ほどの森林が失われていくのに、安い紙だから捨てることに躊躇もしない。だから余計に紙が必要になる。そんな悪循環が紙の世界にも存在します。これでよいわけがありませんよね。

「バナナペーパープロジェクト」は、前述の3つのルールに沿い、さらにSDGsの17項目すべてを網羅しています。

 バナナは、毎年収穫したら長い茎を切り倒さなければ、次の収穫ができません。バナナペーパーは、毎年廃棄される茎を原料としているので、普通の紙に比べてはるかにサステナブルです。
 「バナナペーパープロジェクト」はザンビアのオーガニックバナナの茎を使い、和紙の手漉き技術を取り入れた高品質の紙づくり。村人を直接20人雇用し、間接的には500人の生活を支えています。
 仕事を得たことで、親は密猟などの生物多様性を脅かす行為をしなくなりました。子ども達は、バナナペーパー工場のある敷地内で、環境問題をふくめた教育を受けることができました。
 もちろん工場の動力は太陽光で賄う完全な再生可能エネルギーです。
 ペオさんはバナナペーパーを”希望の紙”と呼びます。地球と地球に住む全ての生物にとって重要な叡智が詰まっているのです!

 SDGsは、世界中で共有するべき課題を17項目で表現していますが、全てがピースとして繋がっています。まずは、私達消費者が”つかう責任”を意識し買い物すること、水や電気やガスを使うこと。買い物は、私達が”どんな社会を創りたいのか”を示す投票のようなもの。ペオさんが教えてくれたルール、”地上にある資源を使い果たさない範囲で活用する” そんなものづくり、エネルギーを応援しましょう!