第11回青山ソーシャル映画祭を開催しました!  

トゥルーコスト画像①

 2月25日(木)、青山ソーシャル映画祭にて「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」を上映しました。68名の方にご参加頂き上映前から会場が熱気に包まれ、主催者としては嬉しいかぎり。また、東日本大震災から5年を迎える3月11日が近いので、普段はCOEDO缶ビールをお出しするところを、今回は、LIGHT UP NIPPON寄付付きのHANABEERをご提供しました。LIGHT UP NIPPONは、2011年から毎年東北・日本を元気にするためのに東北沿岸で花火を上げる活動をしており、HANABEER1本購入ごと60円が寄付される仕組みです。LIGHT UP NIPPON代表の高田佳岳さんも「この作品はマストです!」と上映会に参加してくれました。

 現代のライフスタイルにおいて、行き過ぎたグローバル化による大量生産、大量消費、大量廃棄を象徴するのが「食」と「ファッション」です。「食」においては、途上国が貧困と飢えに苦しむ一方で、先進国では日常的に賞味期限切れの大量廃棄が行われています。「ファッション」においては、消費欲をあおるための移り変わりの早い流行に後押しされ、安さを追求するファストファッションが台頭し、衣類が数回着られればよい程度の消耗品として扱われています。「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」は、ファッションを軸に現代の消費スタイルと貧困の連鎖、そして環境破壊による人体への影響に対して警鐘を鳴らしています。

トゥル―コスト画像④編集済み

 「これは衣服についての物語。私たちが着る服や衣服を作る人々、そして衣服が世界に与える影響の物語だ。これは貪欲さと恐怖、そして権力と貧困の物語である。全世界へ広がっているので複雑な問題だ。一方で私たちと多くの人の心や手が繋がっているというインプルな物語でもある。」  冒頭に流れる監督の語りは、この問題が安い衣服を求め消費する私たち、自然環境から大きな恵みを受けている私たちにとって自分ゴトであることを示してくれます。  十数年前のファッションのシステムは、年4回、春・夏・秋・冬に行われる新作発表を中心に回っていたのに、今では年間52回、つまり週1回のペースで安価な新作を投入するファストファッションがシステムの中心になりました。消費者が安さを求め、コストに見合わない物価の低下が進み、ファッションブランドは自らの利益を拡大するべく生産拠点を人件費が最も安い途上国へ移転させました。それでも価格競争は止むことを知りません。

トゥルーコスト画像⑤修正済み

 もっとも犠牲になるのは、途上国で働く人々の安全と健康、自然環境への配慮です。2013年4月、世界中のファッションブランドが工場を展開するバングラディシュのダッカ郊外にある縫製工場ラナ・プラザで、崩落事故により1,100人以上の死者を出しました。この事故は、ファストファッションに潜む闇を表にひっぱり出したにも関わらず、私たちの消費スタイルは何も変わっていません。  作品中、縫製工場で働く若い母親が「私たちの血に染まった服を着て欲しくない。」と語っています。ファストファッションの対極にあるといえるのがフェアトレードで作られた衣服です。上映後には、オーガニック素材の手仕事中心に、個性的でおしゃれなファッションを作り続けるブランド「ピープルツリー」の広報・鈴木啓美さんに自社の物づくりへのこだわりや、作り手の生活や健康を守るフェアトレードについてお話を頂きました。  ストイックにならなくても、この作品や鈴木さんのお話が「本当に欲しいものしか買わない」とか「自分の服がどこで、どんな風につくられたのか考える」などのきっかけになれば…と思います!!

「消費は意思表示、投票である。自分が問題の原因になるのか、それとも解決策の一部になるのかは、自分に選択権がある。 ~イヴォン・シュイナード~」

トゥルーコスト画像⑥修正済み